Anna Pruchnicka, Yuliia Dysa, Olena Harmash, Alan Charlish, Karl Badohal, Gergely Szakacs

[キーウ/ワルシャワ/ブダペスト 13日 ロイター] – ロシアは13日、ウクライナに対しドローン(小型無人機)による大規模な攻撃を実施した。攻撃は西部の重要インフラなどを標的に主に日中に行われ、一連の攻撃で少なくとも6人が死亡した。北大西洋条約機構(NATO)に加盟するポーランドは隣国ウクライナに対するロシアの攻撃を受け、予防措置として戦闘機を緊急発進させるなどして対応した。
ロシアとウクライナは米国の仲介で9─11日に一時停戦を実施。この日の攻撃は、同停戦終了以降で初めての大規模攻撃だった。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアは深夜以降に800機を超えるドローンを投入し、波状攻撃を実施したと指摘。「トランプ米大統領が訪問先の中国に到着したまさにそのとき、ロシアがウクライナに対する大規模攻撃を実施したのは決して偶然ではない」とし、攻撃はNATO加盟国との国境に近い地域を意図的に狙ったものだと非難した。
ゼレンスキー氏によると今回の攻撃はウクライナ全土に及び、少なくとも6人が死亡したほか、数十人が負傷した。大統領顧問によると、鉄道インフラが23回にわたり攻撃を受け、列車や車両基地、橋などが損傷。ただ、列車の運行は維持されている。
ウクライナ国防省情報総局(HUR)によると、ロシアは主要都市の重要インフラや公共サービスのほか、エネルギー施設や防衛産業関連施設、政府庁舎などが標的にされた。今回の大規模なドローンによる攻撃はウクライナの防空網を飽和させることが目的だったとの見方を示し、この後にミサイル攻撃が続く可能性に警戒を呼び掛けている。
また、ウクライナ空軍によると、ロシアは隣国ベラルーシとモルドバの領空を経由してドローンをウクライナに侵入させた。夜間の攻撃も含め、13日夕までにロシアは合計892機の無人機を投入。攻撃はなお継続しているとしている。
ウクライナ国営の石油・ガス会社ナフトガスによると、ロシアの攻撃により北東部ハルキウ州と北部ジトーミル州の施設2カ所が損傷した。
<ポーランド、戦闘機を緊急発進 領空侵犯はなし>
ポーランド軍は、バルト海上空の国際空域でロシア軍の偵察機に対し戦闘機を緊急発進させて対応したと表明。ロシア軍機は飛行計画を提出せず、トランスポンダー(応答装置)も作動させないまま国際空域を飛行していたという。ポーランド領空の侵犯はなかったとしている。
ポーランドのコシニャクカミシュ国防相によると、バルト海上の国際空域をトランスポンダーを作動させずに飛行したのはロシア軍のIL20偵察機。「ポーランドの防空システムを試すもので、ロシアによる挑発的な行動だ」と非難した。
<ハンガリー、ロシア大使呼び出し抗議>
ハンガリーのアニータ・オルバン外相は、ウクライナ西部のハンガリー系住民が住む地域がロシアによる攻撃を受けたことを非難。ハンガリーのマジャル首相は、オルバン外相が駐ハンガリーのロシア大使を外務省に呼び出し抗議したと明らかにした。
ハンガリーでは、オルバン前政権が2022年のロシアによるウクライナ全面侵攻開始後もロシアと緊密な関係を維持。ウクライナのゼレンスキー大統領は、「ロシアがウクライナだけでなく欧州全体に対する深刻な脅威であることが改めて示された」とし、ハンガリーのマジャル新政権がロシア大使を呼び出し抗議したことは「重要なメッセージ」になると対話アプリ「テレグラム」に投稿した。
今回の攻撃を受け、スロバキアが安全上の理由からウクライナとの国境検問所を閉鎖するなどの動きも出た。