
[ニューヨーク 19日 ロイター] – 米国株式市場は主要3指数が下落して取引を終えた。債券利回りの上昇が市場心理を冷やし、原油価格の高止まりによるインフレ懸念と、米国とイランの和平合意が見通せないことへの不安が重しとなった。
S&P総合500種指数とナスダック総合は3日続落となった。3月下旬から始まった急激な上昇局面を経て投資家が利益確定に動いたほか、インフレが高止まりした場合、米連邦準備理事会(FRB)の次の一手が利上げとなる可能性を意識した。
トランプ米大統領は19日、イラン指導部が米国との合意を望んでいるとの認識を示すと同時に、合意に至らない場合には、数日中にも米国は新たな攻撃を実施する可能性があると警告した。 もっと見る
米債券市場では、中東情勢に絡むインフレ懸念を背景に世界的に長期債が売られる中、10年債利回りが一時4.687%と、2025年1月以来の水準に上昇した。
ローゼンブラット・セキュリティーズのマネジングディレクター兼株式セールストレーダー、マイケル・ジェームズ氏は「実質的な停戦が実現すると信じるに足る建設的な兆候は何もない。こうした状況が続く限り、原油価格は高止まりし、債券利回りも高止まりし、市場の不安はますます高まる」と指摘。「日を追うごとに実質的な進展がないことが、状況をより悪化させている。ここ数日、株式市場が苦戦を強いられているのはそのためだ」と述べた。
市場ではFRBの利上げ観測が高まりつつあり、CMEのフェドウオッチによると、12月に25ベーシスポイント(bp)の利上げが行われる確率は41.7%、50bpの利上げ確率は15.7%となっている。
S&P500の主要11セクターでは情報技術(.SPLRCT), opens new tabや通信サービス(.SPLRCL), opens new tabなど6セクターが下落した。高成長企業はバリュエーションが将来の利益見通しに大きく左右されるため、利回り上昇の圧迫を受けやすい。一方、ディフェンシブセクターのヘルスケア(.SPXHC), opens new tabは1.1%高で上げを主導した。
S&P500ソフトウエア指数(.SPLRCIS), opens new tabは序盤の取引でアウトパフォームしたものの、その後下げに転じて1.2%安で引けた。フィラデルフィア半導体指数(.SOX), opens new tabは3%超下げる場面もあったが、ほぼ横ばいの0.03%高で取引を終えた。
個別銘柄では、26億ドルの転換社債発行を発表したアカマイ・テクノロジーズ(AKAM.O), opens new tabが6.3%下落した。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.66対1の比率で上回った。ナスダックでも2.07対1で値下がり銘柄が多かった。
米取引所の合算出来高は194億5000万株。直近20営業日の平均は183億8000万株。