
[フランクフルト/ワシントン 22日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は22日、近い将来の利下げを検討するのは「正気の沙汰ではない」と述べた。インフレが目標を上回って高止まりする一方、労働市場は年初に比べ安定しているとの認識を示し、「データを見て、9月までに利下げできるなどとは言えない」と述べた。
これより先、ウォラー氏はFRBが政策声明から「緩和バイアス」を削除し、事実上、利上げの可能性も示すべきとの見解を示していた。ウォラー氏は数カ月前まで利下げを主張していたが、3月連邦公開市場委員会(FOMC)では、イラン戦争による原油価格の高騰などを背景に金利据え置き支持に転換。4月FOMCでも据え置きに賛成票を投じた。
ウォラー氏は、現時点では利上げを提唱しているわけではないものの、インフレが拡大し、より持続的になっていることに警戒感を表明。ドイツで開催される経済フォーラム向けの原稿で「インフレは正しい方向に向かっていない」とし、FRBのインフレ率目標未達が6年目に入ったことに懸念を示した。
また、インフレ率がFRBの目標である2%に戻る兆候が明確になるまでは、現在の政策金利を維持する必要があると考えていると述べた。インフレ期待が揺らぎ始めた場合は、利上げを支持することを「ためらわない」と言明した。
ただ、当面の間、政策金利の変更を支持する見込みはないとし、結果はイラン戦争の長期化に大きく左右されるとの見通しも示した。
その上で「利下げが将来的に利上げよりも可能性が高いわけではないことを明確にするため、政策声明の『緩和バイアス』の文言を削除することを支持する」と述べた。「利上げか利下げか、次の動きはデータ次第だ。追加調整の範囲と時期に関する文言を削除すれば、この点が明確になるだろう」とした。
さらに「今後数カ月間、労働市場の弱体化が金融政策を左右する主要因になるとは考えていない」とも指摘。労働市場は均衡しており、政策の方向性を決定する上での主要な懸念事項ではなくなったとの見解を示した。