
[東京 8日 ロイター] – 政府が7月中にも閣議決定する「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」原案の金融政策に関する記述について加筆・修正の可能性が浮上していることが8日、分かった。一部市場関係者から日銀の独立性をけん制すると解釈され円安・金利上昇要因となりかねないとの懸念が政府・与党内からも出たためだ。ただ、高市早苗政権が進める政策の方針は変更しない見通し。複数の政府・与党関係者が明らかにした。
焦点となっているのは骨太原案の第4章。6月30日時点の原案では「当面の経済財政運営は『強い経済』の実現を目指しており、そのためにも『安定的な物価上昇』の実現に資する適切な金融政策運営を伴うことが非常に重要である」と指摘。「日銀には日銀法第4条及び政府・日銀の共同声明の趣旨に沿って政府と緊密に連携し、賃金と物価の好循環を確認しつつ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて適切な金融政策運営を行うことを期待する」としている。
内容を受け金融市場では、政府が日銀の追加利上げに慎重との見方が広がった。元日銀審議委員で野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は7月1日付のリポートで「骨太の方針では、再び日本銀行の利上げを牽制する趣旨の情報発信を解禁したように見える。6月30日の為替市場で、ドル/円レートは約39年ぶりとなる162円台に乗せたのち、さらに円安が進んだ。その背景には、骨太の方針原案についての報道を受けて、政府による牽制で日本銀行の利上げが遅れる、との観測が強まったことがあるのではないか」と指摘した。
7月7日午後に自民党本部で開かれた会合では、財政・金融政策に詳しい議員から、「市場で骨太ショックと言われている。日銀の独立性に配慮した記述も併記してバランスを取ってほしい」との要望が出た。ある政府関係者は、金融政策に関する文言について今後の修正があり得るとの見方を示している。
同会合で配布された同日時点の原案では、6月30日公表原案では1回しか登場しなかった「安定的な物価上昇に資する適切な金融政策」との文言が2回登場する形で加筆されていた。
ただ、複数の関係者によると、文言の修正によって高市政権の政策方針が大きく変更されることはないという。関係者の一人は今後の修正の可能性を認めつつ、「政策は変えない。あくまで市場に配慮しているというメッセージを出すためのものだ」と解説した。