Alexandra Alper, Courtney Rozen

[ワシントン 29日 ロイター] – トランプ米大統領は29日、ホワイトハウスでハイテク企業の首脳らと人工知能(AI)に関する会合を行った。AIの基準策定で各社が合意したと明らかにするとともに、データセンターの急速な拡大を支持する姿勢を改めて示した。
オープンAIとアンソロピックのAIエージェントが暴走し他社のシステムに不正侵入したとの両社の報告を受け、高度なAIがもたらすリスクを巡り、政権への監視の目が厳しくなっている。
また、AIモデルの学習や運用に必要な計算能力を提供するデータセンターは、電力需要や公共料金など、地域社会への影響に対する懸念から、全米各地で反対に直面している。
トランプ氏は企業間の合意について「ある意味、ほとんど憲法のようなものだ」と説明。「世界で最も影響力のある人々が署名し、私も大統領として署名した。これは一種の保護策だ」と述べた。
会合には、オープンAIのグレッグ・ブロックマン氏のほか、 メタ・プラットフォームズのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)、アンソロピックのダリオ・アモデイCEO、エヌビディアのジェンスン・フアンCEO、アルファベット傘下グーグルのスンダー・ピチャイCEOらが出席。政権からはラトニック商務長官らが出席した。
ザッカーバーグ氏は「強固な内部統制の整備で合意した」とし、監査担当者がその手続きを検証し、各社の取締役会に報告すると述べた。
トランプ氏はAIツールの安全性を監督する10人の委員会を設置することを検討していると述べたが、構成メンバーは明らかにしなかった。
トランプ氏は「AI業界のリーダーらは問題を理解しており、極めて積極的な自主規制が行われている」との認識を示した。
また、データセンターの建設を巡り、ハイテク企業は地域社会を「満足」させるよう取り組むとした。
データセンターは「地域社会にとって経済的に非常に有益なことをもたらすだろう」とし、「こうした規模が大きく、強力で、非常に裕福かつ優秀な企業は、地域社会に多大な貢献をすることになる」と語った。
会合に出席したジョンソン下院議長も、ハイテク企業首脳らはAI業界の基準などを巡る取り決めの合意文書に署名したと述べた。
エヌビディアのフアン氏は「イノベーション、技術、安全性は相反するものではない」とし、「われわれは責任を持って、安全にこの技術を発展させていく」と表明した。
アンソロピックのアモデイ氏は「この技術には現実的なリスクが存在する」とした上で、「そのリスクにどう対処するかについては、なお議論が続いている」と述べた。
会合に先立ち、トランプ氏は首都ワシントンで開かれたイベントで、AI技術の規制を巡り、中国の習近平国家主席と連携する考えはないと述べた。そのような枠組みは、米企業が中国企業より優れたAI製品を開発する妨げになりかねないとの認識を示した。
「われわれは現在、中国や他のどの国よりも先行しており、その状態を維持したい」と述べた。その上で、先週訪米した習氏とはAIについて協議したと明らかにし、米国は中国側と「さまざまな形で」協力していると語った。