北方領土=2019年1月

ロシアが不法占拠し、8月にプーチン大統領が初上陸した北方領土の択捉(えとろふ)島で、ロシアが爆撃演習を行うと通告したことが14日、分かった。日本政府は外交ルートで厳重に抗議した。ロシアは同時期に北方領土空域の閉鎖も通知しており、日本政府は、不法占拠を既成事実化する大規模演習に踏み切る恐れもあるとみて、警戒を強めている。

政府関係者によると、ロシアは13日から17日、択捉島で爆撃演習を行うと通告した。日本政府はロシア側に「北方四島における軍備強化の動きはわが国の立場と相いれない」などと抗議した。

また、ロシアは10~16日、択捉島より北海道に近い国後(くなしり)島、色丹(しこたん)島、歯舞(はぼまい)群島の空域を閉鎖すると通達。理由は明示していないが、同時期に択捉島以外でも演習を行う可能性がある。

8月13日、プーチン氏は択捉島に上陸し、北方領土への初訪問を強行した。今月13日には、中国黒竜江省の代表団が択捉島内を視察したことをロシア極東サハリン州政府が発表。日本政府は、不法占拠を正当化した形の中国に対しても「適切な対応」を申し入れた。

一方で同日、ロシアの治安・情報機関「連邦保安局」(FSB)が、サハリン州で北海道新聞ユジノサハリンスク支局の日本人男性記者を拘束。ロシア側は、男性記者が「クリール諸島」(千島列島と北方領土の露側呼称)の住民から軍事関連の「機密情報」を集め、日本の情報機関に提供しようとしたなどと主張している。日本は事実関係の確認と、記者の人道的な接遇を求めている。

ロシアは北方領土周辺でミサイルや射撃演習の通告を繰り返し、日本は重ねて抗議してきた。