• 鉄鋼・アルミニウム関税の適用除外を財務相が要請-財務省幹部
  • 日米財務相会談で為替に絞った話はしなかった-麻生財務相
麻生財務相
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

麻生太郎財務相は20日、米ワシントンでムニューシン米財務長官と会談し、米国の保護主義的な貿易政策は好ましくないとの考えを伝えるとともに、日本が対象となっている鉄鋼・アルミニウム関税の適用除外も要請した。為替については主要議題に上らなかった。

麻生財務相は、同日閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、環太平洋連携協定(TPP)を最善と考える日本と2国間協定を求める米国の間に「認識のずれがあることははっきりしている」と指摘。その上で、米国側に保護主義、内向きな政策は好ましくないと伝えたことを明らかにした。

18日、米フロリダ州で行われた日米首脳会談でも貿易政策をめぐって平行線をたどった。会談では安倍晋三首相とトランプ米大統領が茂木敏充経済再生担当相、ライトハイザー通商代表との間で新たな協議を開始することで一致。麻生財務相とペンス副大統領による経済対話に報告する。

また、財務省幹部は、日本が対象となっている米国の鉄鋼・アルミニウム関税の適用除外を麻生財務相が要請したことを明らかにするとともに、日本の鉄鋼輸出は安全保障上の問題を生じさせていないとの認識を示した。

米財務省が今月公表した為替報告書では、日本の監視対象国指定を維持した。しかし、麻生財務相は会談で為替に絞った話はしなかったと言明。財務省幹部もドル円相場についてやりとりがなかったことを明らかにした。