辞任が正式に決まった財務省の福田淳一事務次官のセクハラ疑惑に関し、テレビ朝日の角南源五社長は２４日の定例記者会見で、女性社員の被害の訴えを上司が公表しなかったことについて「会社として適切な対応ができなかったことは深く反省している」と述べた。
テレ朝によると、女性社員は約１年半～１年前、福田氏と複数回、夜に食事をした。そのたびにセクハラ発言があったことから、女性社員は身を守るために会話の録音を開始。約１年前からは福田氏と会うのは避けていたという。今月に入り、デスクの指示で森友学園問題を巡る取材に着手。その折に、福田氏から電話があり、４月４日夜に取材で会った。この時もセクハラ発言があり、会話を途中から録音したという。
女性社員は、セクハラの事実を報じるべきではないかと上司に相談したが、「今のメディアの状況では難しい」と伝えられたという。その後、女性社員は週刊新潮の取材に応じ、福田氏の会話の録音の一部を提供していた。
録音を週刊新潮に提供 「その心情は理解できる」
一方、女性社員が福田氏との会話の録音を週刊新潮に提供したことについて、テレ朝は「取材活動で得た録音が第三者に渡されたことは報道機関として遺憾に思う」とこれまで答えていたが、この日は角南社長が「女性社員は公益目的から被害を訴えた。当社としてもその心情は理解できる」とも述べ、一定の理解を示した。
同社は１９日、財務省に抗議文を送付。２０日付で弁護士事務所から同社に協力依頼の連絡があった。テレ朝は２４日午前、財務省と弁護士事務所の関係性などが判然としていないため、弁護士事務所に質問状を送ったという。【屋代尚則】
