26日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが下げに転じる展開。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の記者会見での発言を受けてユーロ売りが出た。ドル指数は3カ月ぶり高値を更新した。

ドルは円を除く主要10通貨の全てに対して上昇。スイス・フランや豪ドルなどに対して年初来高値を付けた。米国債利回りが13日以降で初めて低下したものの、ドルの上昇は続いた。

ユーロは対ドルで0.4%上昇する場面もあったが、下げに転じ、大型オプションの期限に伴い3カ月ぶり安値に沈んだ。ドラギ総裁は域内の景気拡大持続に対する自信をあらためて示す一方、景気の勢いが今年に入って弱まったことを認めた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.2%上昇。ドルは円に対して0.1%下落し1ドル=109円30銭。ユーロは対ドルで0.5%安の1ユーロ=1.2103ドル。一時は1.2096ドルと、1月12日以来の安値を付けた。

ドラギ総裁は政策委員会がユーロ高について今月の会合で協議しなかったことを明らかにした。「前回会合以降にほぼ全ての国が、度合いは違うが、幾分の成長減速と勢いの低下を経験したことは明らかだ」と述べ、景気減速が一時的なものか、それとも長期的なものかどうかを判断する必要があるとの認識を示した。

行使価格1.2200ドルのオプションがこの日の朝方に期限を迎えた。ニューヨークのトレーダーによれば、1.2125ドルに控えていた買い注文をこなしてユーロは下げた。27日には行使価格1.2100ドルのオプションが満期を迎える。

ドルは対円で一時109円07銭まで下げた。アジア時間では2月8日以来の高値となる109円47銭を付けた。円は対ドルで17日以降で初めての上げとなった。

欧州時間の取引

ECBの政策発表を前に薄商いとなった。ユーロは一時1.2156ドルまで下げた。