• 来月に南北軍事協議、「段階的な軍縮」を目指す
  • 休戦協定を年末までに平和協定に転換する意向

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領は27日、約70年に及ぶ両国の戦争状態を年内に終結させることで合意した。朝鮮半島の「完全な非核化」を目指すことにも同意した。

トランプ米大統領はこの取り組みを称賛し、「朝鮮戦争は終結する!」とツイートした。大統領は金委員長との会談に合意しているが、日程と場所はまだ決定されていない。

金委員長と文大統領は軍事境界線にある板門店での会談後に共同宣言を発表した。北朝鮮の指導者として韓国の地を踏んだのは金委員長が初めて。歴史的な「板門店宣言」に署名した両首脳は抱擁をかわした。1953年の休戦協定を年末までに平和協定に転換し、朝鮮戦争を正式に終結させる意向を表明。文大統領が今年秋に平壌を訪問することでも一致した。

軍事境界線を手を携えて越える金委員長と文大統領
出典:ブルームバーグ経由の南北サミットプレス隊/プール

共同宣言によると、韓国と北朝鮮は「完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島を実現するという共通の目標」を確認し合った。米国とその同盟国が長く求めてきた「完全で検証可能、不可逆な非核化」という表現までは踏み込まず、完全な非核化が何を意味するか明確ではない。金委員長は宣言の発表中は発言しなかった。

記者団に対して金委員長は「朝鮮半島の全ての市民が戦争のない平和な土地で繁栄と幸福を享受できる、新たな時代を開く固い決意を共有する点で同意した」と語った。質問は受け付けなかった。

北朝鮮は昨年に核実験のほか、ミサイル試射を繰り返したが、今年に入ると朝鮮半島では急速に緊張緩和ムードが広がった。今回の南北合意を受けてトランプ米大統領と金委員長の間の初の米朝首脳会談も近く実現するとみられる。

朝鮮戦争後3回目、2007年以来で初めての南北会談は象徴的な意味を持った。文大統領は平和条約を目指す合意は朝鮮半島にとって「根本的な変化」を意味すると述べた。両首脳は来月に南北間で軍事協議を行うとし、「段階的な軍縮」を目指すと表明したが、詳細には触れなかった。

過去の合意は、査察や兵器実験、経済援助を巡る対立で長続きしなかった。北朝鮮側が米国の合意不履行を非難する中で立ち消え、結局現在では60発程度の核爆弾を保有しているとみられている。

しかし今のところ、金委員長は楽観的だ。「痛みのない勝利はない。挫折のない栄光もない。いつの日か、われわれは困難と苦しみを乗り越えた喜びをもって、この日を振り返るだろう」と金委員長は述べた。

原題:Two Koreas Agree to End War This Year, Pursue Denuclearization(抜粋)
Trump Hails Two Koreas’ Deal to End War, Pursue Denuclearization
Two Koreas Agree to End War This Year, Pursue Denuclearization
*S. KOREA PRESIDENT MOON TO VISIT PYONGYANG IN THE FALL