• マカファティー委員とソーンダース委員が利上げ主張
  • インフレ率は想定より早く2年以内に2%の中銀目標に低下へ

イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は10日、「穏やかな」金融引き締めは依然必要だとの考えを示した。予想以上の景気減速を受けて今月の利上げは見送った。中銀は政策金利を0.5%で据え置いた。また、インフレ率はこれまでの予想よりも迅速に低下し目標水準に戻るとの見通しを示した。

総裁は「景気の勢いは再び強まると考えている」とし、「経済予測の及ぶ期間内に、インフレ率を目標水準に戻すために緩やかな利上げ持続が適切だと金融政策委員会(MPC)は判断する」と述べた。

投資家は利上げ観測を後退させ、市場が見込む利上げ確率は8月が50%程度、年内ではこれまでの100%から87%前後に低下した。中銀発表前に一時0.5%高となっていたポンドはロンドン時間午後2時17分現在0.1%安の1.3534ドル。

金融政策委員会(MPC)での決定は7対2。マカファティー委員とソーンダース委員が利上げを主張した。据え置きを主張したMPC委員らは最近の弱い指標を理由に挙げた。「景気予測の及ぶ期間において限られた引き締めしか必要でないことを考慮すると、追加の情報を待つことのコストは大きくない公算だ」と論じた。

中銀が今回明らかにした最新予測では、インフレ率はこれまでの想定よりも早い2年以内の時点で2%の目標まで低下する見込み。インフレ率を目標に戻すには年0.25ポイント程度の利上げが必要と想定している。

今年の成長率予想は1.4%と2月時点の1.8%から下方修正した。2019、20年の予想は1.7%で据え置いた。

 

原題:BOE Keeps Interest Rate on Hold as Inflation Seen Cooling Faster(抜粋)
Carney Says Modest BOE Rate Hikes Needed Even as Inflation Cools