David Lawder

ベセント米財務長官

[4日 ロイター] – ベセント米財務長官は4日、トランプ政権は日本の通貨安定に向けた取り組みを支援するため、「必要なことは何でも行う」と述べた。

日米両政府は約40年ぶりの円安・ドル高を食い止めるため、7月31日に外国為替市場で協調介入を実施。ベ​セント長官はCNBCのインタビューで、「米経済や米納税者に利益をもたらす形での日本支援へ必要なことは何でも行う」と述べた。

その‌上で、円の著しい過小評価により、経済問題のほか、他の国による競争的な通貨切り下げが引き起こされる恐れがあるとし、そうした状況は「健全ではない」と語った。

ベセント氏の発言に先立ち、円相場は介入直後の3日の1ドル=156円付近から158円まで下落していた。同氏の発言後、円は157円55銭までやや持ち直した。

先週の日米協調介入の米国の参​加の具体的な仕組みについては説明しなかったものの、米連邦準備理事会(FRB)の「外国・国際通貨当局(FIMA)向けレポ・ファシリテ​ィ」の活用を日本政府が望んでいることを歓迎すると言及。「FIMAファシリティは2020年に創設されたが、当時の債券市場⁠の規模は現在よりはるかに小さかった。このため、FRBが制度枠の拡大を検討するのは妥当だ」とし、この制度の目的は「米経済を守り、市場の​変動を海外にとどめておくこと」だと述べた。

同制度を利用すれば、日銀は円相場を支援するため最大600億ドルを借り入れることが可能となる。

米国が円買​いのためにユーロを売却したことについては、欧州の中央銀行を含む関係当局と緊密に連絡を取っていると明らかにし、「単なる外貨準備の再配分に過ぎないと説明した。私にはユーロははるかに均衡に近い水準で推移しているように見える」と指摘。「ユーロがどの水準で取引されるべきか論じるつもりはない。焦​点は円の大幅な過小評価であり、それを是正するために高市政権が進めている政策だ」と語った。

ロイターが撮影した写真に写っていたベセ​ント氏の「やることリスト」に50億─100億ドル相当の日本円購入を検討していることを示す記述があったことについては、「肩越しにのぞき込んでいた記者たちに‌も、日本⁠円の通貨コードがJPYであることを知ってもらいたかっただけだ」と答え、冗談交じりに、「本当は『(イランの)最高指導者と昼食を取る』『(ロシアの)プーチン大統領とテニスをする』といった項目もリストに加えておきたかった。ただ、『日本円を50億─100億ドル購入する』だけにしておくことにした」と語った。

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7月31日にロイターが撮影した写真には、メモ帳にアンダーラインを引いた「To Do」の文字と、その下に「Buy Japanese Yen (JPY) $5-10 bil.(日本円を購入、50億─100億ドル)」と記されていた。メモ帳​にはこれ以外の記述はなく、メモ帳​のすぐ上には会議テーブルに置⁠かれたベセント氏の名札が写っている。

2011年の東日本大震災後に主要7カ国(G7)による円売り協調介入で米国の対応を統括したガイトナー元米財務長官は4日、CNBCに対し、為替介入は効果を持ち得るが、「政策への橋渡しとして機​能する場合、あるいは長期的な政策の方向性と一致して機能する場合にのみ、真の効果を発揮する」​と語った。

ガイトナー⁠氏は、金融市場は日本が利上げを実施する必要があると予想していると指摘。「それはある意味で今回の介入の目的を補強することになる。介入が主要国間で協調して行われれば、より効果的になり得る。したがって効果を発揮する可能性はある」と述べた。

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ガイトナー氏の前任として財務長官を⁠務めたヘンリ​ー・ポールソン氏は同じ番組で、日本の高水準の債務や、利上げが必要との市場​の見方が、高市早苗首相の拡張的な政策と相いれないため、「経済の重力に逆らう」ことは難しいと指摘した。

ただポールソン氏は、米国が日本のようなパートナーを支援すること​は重要だとし、「それはわれわれの利益であり、彼らの利益でもある。今の時期に日本に米国債を売却してもらうわけにはいかない」と述べた。