• 日本の自分流重視はチャンス、ネット通じて多様な製品提供-副社長
  • 世界最大の撮影スタジオ設立、Fリテイリやスタートトゥデイを追撃

「われわれはいま飛躍的な成長を遂げている」。アマゾン・ドット・コムが日本で本格的にファッション事業を展開し始めた。2014年に日本市場に正式参入し、今年3月には同社として最大のアパレル専用撮影スタジオを都内に設立。「ユニクロ」を手掛けるファーストリテイリングや「ゾゾタウン」のスタートトゥデイなど衣料品通販事業で先行する国内企業を追う。

アマゾンジャパン副社長で「アマゾンファッション」を束ねるジェームズ・ピータース氏は21日のインタビューで、「日本では高級バッグに安価なTシャツ、中価格帯の靴やジーンズを組み合わせている」と指摘。自分流のスタイルを作り上げる日本においては、多種多様な製品に接する機会が必要となり、衣料品通販業での商機もそこにあるとの見方を示した。

東京・品川に設けた「アマゾンファッション」の撮影スタジオ、Source: Amazon Fashion

アマゾンファッションでは17年に新たに1000を超えるブランドの取り扱いを開始しており、そのうちの多くが国内ブランドだったと明かす。各社は当初、カニバリゼーション(共食い)や自社製品の並び順を懸念していたが、最終的にはアマゾンで販売しなければ消費者は購入しないことに気付いてくれたと説明した。今後も毎年数千の取り扱いブランド追加を想定していると話した。

一方で販売を固辞するブランドもある。共同通信によると、Fリテイリの柳井正社長は昨年10月、多くのブランドのうちの1つとして扱われるため、アマゾンを通じて商品を販売する考えはないと明言した。こうした動きについて、ピータース氏は「彼らの選択を尊重する」との考えを示した。

商品の並び順を懸念

一部のブランドがアマゾンでの販売をちゅうちょする理由の1つが商品の並び順だ。高級品が低価格品と並んで表示されるとブランドイメージが損なわれる恐れがある。ピータース氏は、多くの消費者が買い物に使っているスマートフォンでは6-9件程度の検索結果しか同時に表示できないと指摘。「消費者は店のコンセプトや並び順を気にしていない」と話した。今後1-2年間は、アマゾンが抱える膨大な商品群を活用し、顧客個人の好みに応じたサービスの提供に注力する考えを示した。

衣料品通販業界では体型に合った商品の提供が鍵になるとも言われており、スタートトゥデイは体型採寸用のボディースーツを用いたサービスを展開している。ピータース氏は「体のサイズを知っているからと言って、消費者が好むサイズが分かるわけではない」と指摘。具体的な内容については言及を控えたものの「アマゾンはその先を考えている」と語った。