ジャーナリストの殺害事件をめぐり事件に関与したサウジアラビア政府への批判が広がる中、イスラエルのネタニヤフ首相は「中東地域の安定にはイランのほうがより大きな問題だ」と述べサウジアラビアを擁護する姿勢を示しました。

トルコにあるサウジアラビアの総領事館でジャーナリストのジャマル・カショギ氏が殺害された事件では、サウジアラビア政府が関与を認めたほか、欧米メディアはムハンマド皇太子の関与を指摘し国際的な批判が広がっています。

イスラエルのネタニヤフ首相は訪問先のブルガリアで2日、「おそろしい事件で適切に処理すべきだとは思うが、中東地域の安定にはサウジアラビアの安定が極めて重要でありイランのほうがより大きな問題だ」と述べました。

イスラエルは共通の脅威となっているイランに対抗するため、サウジアラビアの情報機関などと連携を深めていて今回の事件をめぐっても、サウジアラビアを擁護する姿勢を明確にした形です。

また、アメリカの有力紙ワシントン・ポストは、ネタニヤフ首相がトランプ政権に対し、ムハンマド皇太子への支援を続けるよう働きかけていると伝えていて、今回の殺害事件が対イラン戦略に影響を与えかねないと、イスラエルが懸念を強めていることがうかがえます。