• 退任時に自社株を1株当たり1円で購入できる仕組み-関係者
  • ケリー容疑者ら少数の側近とのみ共有-取締役会や株主に知らせず

日産自動車前会長のカルロス・ゴーン容疑者が、取締役を対象にした100億円規模のストックオプション制度を設定し、このうち90億円がゴーン容疑者自身に支払われるよう計画していたことが新たに分かった。

事情に詳しい関係者2人によると、各取締役が退任時に自社株を1株当たり1円で購入できる仕組みだった。過去1年間の株価平均値の約1000分の1で、無償供与に限りなく近い水準ながら有価証券報告書での開示義務を免れるよう設計されていた。

ゴーン容疑者は退任後に高額の報酬を手にしようと、いくつかの策を講じていた。ストックオプションによる報酬は、すでに記載漏れの疑いがあった株価連動型インセンティブ受領権(SAR)や、総額約90億円の先送り報酬とは別。

ゴーン容疑者は弁護士に対し、このストックオプション制度は2017年1月に無効となったほか、SARについては19年3月で失効すると話していると、捜査状況に詳しい関係者の1人が語った。

関係者によると、ゴーン容疑者はストックオプション制度について、同時に逮捕された前代表取締役のグレッグ・ケリー容疑者や秘書ら少数の側近とのみ共有しており、取締役会や株主には知らせていなかったという。

原題:Ghosn Is Said to Have Aimed for Second $80 Million Nissan Payout(抜粋)

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◯ ルノーはゴーン会長の内部調査で最初の結論に近づく-関係者<bloomberg日本語版>2018年12月7日 5:54 JST