北朝鮮の金正恩体制の打倒を目指す反体制組織「自由朝鮮」のウェブサイトで公開された、故金日成主席と故金正日総書記の肖像画を床にたたき付ける映像(自由朝鮮のサイトから)

 【ソウル時事】北朝鮮の金正恩体制打倒を目指し、「臨時政府」の樹立を宣言した「自由朝鮮」はウェブサイト上で、何者かが故金日成主席や故金正日総書記の肖像画を床にたたきつける様子の映像を公開した。北朝鮮では金日成氏らは神格化されており、肖像画の破壊は処罰対象となり得る。

 サイトによると、映像は20日に公開。ハングルと英語で、「祖国の地で」「金日成、金正日、金正恩の神格化を打倒する」などの字幕が付けられていた。

 映像の一部や人物にはモザイクがかけられ、撮影場所は不明。自由朝鮮は、スペイン・マドリードで2月に起きた北朝鮮大使館襲撃事件に関与したとされ、韓国メディアはこの大使館内で撮影された可能性を指摘した。

 自由朝鮮は、2017年2月にマレーシアで殺害された金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏の息子ハンソル氏の安全確保のために活動していた反体制組織が前身。今月には在マレーシア北朝鮮大使館の塀に正恩体制批判の落書きが見つかり、自由朝鮮の関与が指摘されていた。