[ワシントン 29日 ロイター] – 米商務省が29日発表した1月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回った。所得も緩慢な伸びとなった。米経済は2018年第4・四半期に減速したが、一段と冷え込んでいるもようだ。物価上昇の前年比は2年4カ月ぶりの小幅な伸びとなった。 

個人消費は米経済の3分の2以上を占める。 

18年12月の数字は当初発表の0.5%減から0.6%減へ下方改定された。 

キャピタル・エコノミクスのシニア米国エコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は「財政面での支援が弱まり、金利上昇が大きな負担となる中で、内需が足元で鈍化しているのは明らか。鈍化傾向は続くだろう」と述べた。 

1月のインフレ調整後の実質消費支出は0.1%増だった。前月は0.6%減少していた。 

1月の個人消費支出の内訳は、モノが0.2%減。前月は2.4%減少していた。減少は2カ月連続。自動車の購入減少が響いた。 

サービスは0.2%増。前月は0.3%増だった。 

需要が弱含む中で物価上昇圧力も控えめだった。個人消費支出(PCE)価格指数は前月比は0.1%低下と、前月の0.1%上昇からマイナスへ転じた。 

1月の前年同月比は1.4%上昇と、16年9月以来の小幅な伸びとなった。前月は1.8%上昇していた。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%上昇と、前月の0.2%上昇から減速した。1月の前年同月比は1.8%上昇と、前月の2.0%上昇から減速。コアPCEの前年同月比はFRBが物価の目安としている。18年3月には12年4月以来初めてFRBの目標である2.0%を付けた。 

1月25日までの5週間、政府機関が一部閉鎖していた関係で、商務省は今回の統計で1月の個人消費支出と2月の個人所得を合わせて発表した。 

2月の個人所得は0.2%増。1月は0.1%減だった。米中貿易摩擦の影響を受ける農家への補助金などの例外的な要因でここ数カ月、所得が乱高下している。 

賃金は2月に2カ月連続で0.3%増となった。貯蓄は1兆1900億ドルと、1月の1兆2200億ドルから減った。 

最近発表された住宅着工や製造業の統計も軟調で、第1・四半期初めに米経済が急減速したことを示唆していた。この日の統計もそうした状況を示す新たな兆しだった。また、世界経済の鈍化や米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱の先行き不透明感も経済見通しに影を落としている。 

第1・四半期の国内総生産(GDP)見通しは最も軟調な見方が年率で0.9%増。18年第4・四半期は2.2%増だった。