[ワシントン 5日 ロイター] – トランプ米大統領は5日、連邦準備理事会(FRB)は利下げすべきと強調するとともに、経済の下支えに向け非伝統的政策である「量的緩和」の再開が必要との認識を示した。 

トランプ氏は記者団に対し、朝方発表された3月の雇用統計で経済は良好に推移していることが示されたものの、FRBによる措置で景気は減速したと指摘。「FRBは本当に景気の足を引っ張った。インフレはまったくない」とし「FRBは利下げすべきだと考える」と語った。 

さらに、利下げに加え量的緩和の再開も要求。「金融政策は足元、量的緩和であるべきだ」と主張した。ただこうした金融政策の組み合わせは本来、経済が急激に落ち込んだ場合の緊急手段として用いるもので、足元の経済状況への対応にはそぐわないとの見方がある。 

トランプ氏は4日、FRB理事にピザチェーン元幹部で2012年の大統領選で共和党候補者指名争いに出馬したハーマン・ケイン氏(73)を指名する意向を明らかにした。トランプ氏は2年前にパウエルFRB議長を指名したが、同議長の下での利上げを強く批判。トランプ氏が指名した他のFRB当局者もパウエル議長の利上げを支持してきた経緯がある。