日産自動車、仏ルノー、三菱自動車の3社連合のロゴ=AP

 日産自動車と連合を組む仏ルノーが今月中旬までに、両社の経営統合を日産に提案したことが明らかになった。両社トップを兼務していたカルロス・ゴーン被告の逮捕後、ルノーによる統合提案が表面化するのは初めて。日産は拒否するとみられるが、関係改善を進めてきた両社の対立の火種となりそうだ。

 ルノーは、同社のティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)を日産の取締役とすることや、日産の最高執行責任者(COO)以上のポストにルノー出身者を就任させる案も伝えた。

 ルノーは日産に43.4%、日産はルノーに15%をそれぞれ出資し、株主総会での議決権はルノーのみが持つ。ルノーは販売台数や技術力で勝る日産と経営統合することで、経営基盤を強化しつつ、連合の主導権を握りたい考えとみられる。

 ルノーは1月下旬にゴーン前会長を事実上解任した後、後任会長に就いたジャンドミニク・スナール氏が、統合論を棚上げする考えを示していた。ルノーによる強硬論が浮上したことで、日産が6月の定時株主総会に向けて進める新体制構築に影響を与える可能性もある。【松本尚也】