[ワシントン 22日 ロイター] – トランプ米大統領は22日、インフラ整備を巡る民主党との協議を突如打ち切り、ロシア疑惑を巡り自身への調査を拡大している民主党議員や、自身が「事実隠蔽」に関わったと非難したペロシ下院議長への反発をあらわにした。 

トランプ大統領は民主党との協議を打ち切った後、予定されていなかった記者会見を設け、「私は隠蔽行為などしない」と言明。民主党議員による「偽」の調査を理由に、インフラ整備計画で民主党と連携する意向はないと強調した。 

ペロシ下院議長はこれに対し、トランプ大統領との会合は「実に奇妙だった」とした上で、大統領の弾劾の可能性に言及。「トランプ大統領が司法を妨害し、事実を隠したことは事実で、弾劾に値する」と述べた。 

モラー特別検察官によるロシア疑惑捜査の報告書が公開されて以来、議会は独自の調査を進めているが、トランプ大統領は召喚状を無視するなどし、こうした動きに抵抗。マクガーン元法律顧問がトランプ大統領の指示を受けて召喚状に応じなかったことを受け、民主党の間からは大統領弾劾に向けた機運が強まっている。 

こうした中、ペロシ議長はインフラ整備に関する会合に先立ち、トランプ大統領が隠蔽に関わったとし、「米大統領を含め、誰も法の上に立つことはできない」と述べた。 

ホワイトハウス高官によると、このペロシ氏の発言を受け、トランプ大統領は機嫌を損ね、記者会見を開く意向を側近に示した。 

その後、ペロシ氏と民主党重鎮のシューマー上院院内総務がホワイトハウスに到着。トランプ大統領はインフラ整備について協議するよう促したが、ペロシ氏が隠蔽について言及したことで会合は5分足らずで打ち切られたという。 

また、トランプ大統領が民主党との連携を拒否したことについて、CNBCは政府高官の発言として、債務上限引き上げや歳出法案に関する協議には影響は及ばない見通しと報じた。