• FRB議長が利下げ可能性閉ざさず、世銀下方修正、中国レアアース
  • 米国の対メキシコ関税、ルノー取締役会は統合案の結論出ず

世界銀行が世界成長見通しを下方修正し、通商摩擦などを理由に2019年の成長率予想を1月時点の2.9%から2.6%に切り下げました。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は世銀の発表前に行われた講演で、利下げの可能性を閉ざさない考えを示したことから株式相場は上昇しましたが、市場からは「パウエル議長は綱渡り状態だ」との声も上がっています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

「適切な行動」

パウエルFRB議長は必要なら利下げの可能性も閉ざさない姿勢を示唆した。米国と主要貿易相手国との対立の影響を「注意深く観察」するとし、「これまでと同様、景気拡大を維持するためわれわれは適切な行動を取る」と述べた。クラリダFRB副議長も金融当局は「物価の安定と最大雇用を達成するだけでなく維持する政策を実施するだろう。われわれは必要ならそれを行う」と述べた。

ブレーキ

世界銀行は2019年の世界の経済成長予想を2.6%に下方修正した。今年1月時点は2.9%だった。20年は2.7%に加速する見通し。今年の米国と中国の成長予想を据え置いた。米国の成長率は今年2.5%に鈍化した後、20年に1.7%にさらに減速するとみている。

貿易戦争の武器

中国の国家発展改革委員会(発改委)はレアアース(希土類)の輸出規制案を綿密に精査している。専門家の助言に従い、レアアースの輸出を追跡および承認する枠組みの設置に向け、可能な限り早期に措置を講じる方針だと発表した。レアアースは軍用機器やハイテク製品の製造に不可欠で、米国との貿易戦争における武器として使われるとの懸念がさらに強まった。

回避できるか

トランプ大統領は不法移民の問題を理由に来週からの賦課を予定している5%の対メキシコ関税について、回避に向け合意に至るとの期待を打ち砕いた。トランプ氏は「関税が賦課される時点でもわれわれは恐らくまだ協議を続けており、メキシコは関税を支払うことになる」と述べた。一方、メキシコのロペスオブラドール大統領は期限までに回避の方法を見いだせると、楽観的な認識を示した。


持ち越し

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)から提示された経営統合案について議論したルノー取締役会は4日の会議で決定に至らず、5日に議論を持ち越すことになった。発表文で、FCAとの「統合機会について鋭意検討を続け、この問題に関する議論を延長することを決定した」と説明。「統合案の各要素の詳細」を話し合うためだという。

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