[ニューヨーク 16日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対通貨バスケットで上昇した。6月の米小売売上高が市場予想を上回り、国内景気不安が和らいだほか、月内の大幅利下げ予想も後退。ドイツの景気期待指数悪化を受け、ドルはユーロに対しても上昇した。 

終盤の取引で、ドル指数.DXYは0.48%高の97.395。一時4営業日ぶりの高値となる97.438を付けた。 

米商務省が発表した6月の小売売上高は前月比0.4%増と、市場予想の0.1%増を上回った。 

TDセキュリティーズのシニア外為ストラテジストは「米指標が最近の予想より良好な内容で、ドルのマイナス面を幾分振るい落としている」と話した。 

CMEグループのフェドウォッチプログラムによると、30―31日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で少なくとも0.25ポイントの利下げ予想を金利先物は完全に織り込んでいる。 

ユーロは対ドルで0.47%安の1.12055ドル、対円で0.04%安の121.42円。 

ドイツの欧州経済センター(ZEW)が発表した7月の独ZEW景気期待指数はマイナス24.5と、市場予想のマイナス22.3を下回った。6月の同指数はマイナス21.1だった。 

ユーロ圏の景気が低迷しているとして、トレーダーらは欧州中央銀行(ECB)も年内に利下げに動くとみている。 

ユーロは英ポンドEURGBP=D3に対しては0.44%高の90.345ペンス。早い時間帯には6カ月ぶりの高値(90.47ペンス)を記録する場面もあった。 英ポンドは対ドルGBP=D3で一時、2017年4月以来初めて1.24ドルを割り込んだ。直近で0.91%安の1.2403ドル。 

英国の次期首相の座を競うボリス・ジョンソン氏とジェレミー・ハント外相が15日、メイ首相の離脱協定案に盛り込まれたアイルランドとの国境問題に関する安全策(バックストップ)について、期限が設定されても受け入れない意向を示した。これを受け、合意なき英欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)のリスクが急上昇した。 

ドル/円 
NY終値 108.22/108.26 
始値 107.95 
高値 108.37 
安値 107.93 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1209/1.1213 
始値 1.1223 
高値 1.1226 
安値 1.1202