政府・与党は、食料品を対象にした2年間限定の消費税減税を行う方向で調整に入った。来年4月の実施を目指し、税率はレジシステムの改修にかかる期間がより短い「1%」とする案が有力となっている。政府と与野党でつくる社会保障国民会議の議論も踏まえ、高市首相が6月中にも最終判断し、秋の臨時国会に関連法案を提出する見通しだ。

 複数の政府関係者が明らかにした。政府は3日に開かれる社会保障国民会議の実務者会議に、引き下げの税率に応じたレジシステムの改修に必要な期間などをまとめた資料を提示する。

 判明した資料案では、自民党が衆院選公約で掲げた通り、現在8%が適用されている食料品の税率を「0%」にした場合、システム改修に最大10か月~1年程度が必要だという業者側の見解を示した。一方、「1%」にすれば、最大5~6か月程度で済むと明記した。

 税率0%への対応に時間がかかるのは、「0」という数字が割り算できないなどシステム上、特殊な数値であるためだ。国内には、販売記録を管理するPOS(販売時点情報管理)と呼ばれるシステムと連携する「ターミナルPOSレジ」が約70万台あると試算されるが、税率として0を入力できないシステムも存在している。

 大規模改修は制度の詳細が確定してから、〈1〉影響調査(3か月)〈2〉システム改修(3~4か月)〈3〉テスト(同)〈4〉店舗導入(1か月)――の4段階を踏む。一方で、「税率1%」であれば0の特殊性に対応する必要がなくなるため、それぞれの工程が1~2か月の範囲に収まるとの見解が示されている。

 首相は、中低所得者の税・社会保険料負担を軽減するための「給付付き税額控除」を導入するまでの「つなぎ」として2年間限定の消費税減税を実現することに強い意欲を示している。今年2月には社会保障国民会議を設置し、具体的な検討を進めている。

 ただ、自民は衆院選公約で食料品の消費税率をゼロにすると掲げており、「『公約違反だ』と批判されることは避けたい」との意見もある。首相は周囲に「迅速性と十分性を重視する」と説明している。与党の意見や世論も見極めた上で、最終判断する見込みだ。