[ワシントン 17日 ロイター] – 米議会下院での「ウクライナ疑惑」を巡るトランプ大統領の弾劾訴追決議案の採決を翌日に控え、トランプ氏は17日、弾劾訴追手続きは「違法な党派的クーデターの試み」だと野党・民主党を強く非難した。 

民主党が過半数を握る下院は18日に本会議を開き、トランプ氏が政敵のバイデン前副大統領に関する調査を行うようウクライナに圧力をかけた疑惑でトランプ氏を弾劾する決議案の採決を行う予定。下院の議事運営委員会はこの日、決議案審議の規定について協議した。 

弾劾の理由として民主党は「権力乱用」と「議会妨害」の2つをあげており、この2つの弾劾条項が盛り込まれた決議案は可決される見通し。 

民主党は、トランプ氏が2020年の大統領選を有利に運ぶために権力を乱用し、民主党の有力候補とみられるバイデン氏に関する調査を行うようウクライナ政府に圧力をかけたと指摘。また、トランプ氏が議会からの調査協力の要請に応じず、議会の調査を妨害したとしている。 

一方、トランプ氏はこの日、民主党のペロシ下院議長に書簡を送り、「無効な弾劾訴追手続きを行うことで、あなたがた民主党議員らは職務宣誓や合衆国憲法に違反し、さらには米国民主主義に対して宣戦布告を行っている」と批判。「(弾劾訴追手続きは)違法な党派的クーデターの試みにほかならないが、最近の世論を考えれば、大失敗に終わるだろう」と強調した。