11日、フランス・パリで行われた年金制度改革案に対するデモで、参加者(右)に催涙ガスを噴射する警察官(AP=共同)

 【パリ共同】フランスのフィリップ首相は11日、国鉄労組などの1カ月以上に及ぶストライキを招いた年金制度改革案を巡り、収支均衡を実現するため満額支給を受けられる年齢を現在の62歳から64歳に引き上げる点をいったん取り下げ、労使と代替案を話し合う譲歩を示した。

 この点に強く反対していた社会党系の穏健派労組、フランス民主労働同盟(CFDT)は提案を評価。共産党系の急進派、労働総同盟(CGT)はあくまでも改革全体の撤回を求めており、ストは続くとみられるが、先鋭化していた政府と労組の全体的な対立は一定程度和らぐ可能性がある。