[3日 ロイター] – 米労働省が3日発表した3月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から70万1000人減と、前月の27万5000人増(改定)からマイナスに転じ、市場予想の10万人減を大幅に超える落ち込みとなった。市場関係者のコメントは以下の通り。 

●急激な景気減速下にあることは明白 <クナ・ミューチュアル・グループのチーフエコノミスト、スティーブ・リック氏> 
今回の米雇用統計は過去の数値であり、現状を全て反映しているわけではない。3月12日を含む週の労働市場の状態が示されたが、その後、情勢は急速に悪化している。 
 4月の雇用統計を見るまでは現状の労働市場を完全に把握することはできないだろう。とはいえ、非常に急激な景気減速の渦中にあることは明らかで、失業率は年央に向かって最大7%まで上昇する可能性がある。 
 2008年とは異なり、現状は金融システムの崩壊ではなく、多くの不確実性に基づいており、治療法も終息時期も分からない新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)次第となっている。市場・経済とも全体的に医療分野の状況に非常に左右されており、パンデミックが完全に払拭されるまで事態は改善しないだろう。 

●失業率5月は18%、年末に向け回復 <アメリプライズ・フィナンシャル・サービシズ(ミシガン州)の首席エコノミスト、ラッセル・プライス氏> 
 労働市場の悪化が予想以上に反映された。このところの雇用喪失は著しく、歴史的な規模となっていることはすでに織り込まれている。 
 非農業部門雇用者数については、労働省が操業を停止した企業と連絡を取れていないため、技術的な問題がある可能性がある。当面は振れやすくなるだろう。週間新規失業保険申請件数は短期的な見通しを推し量る上で1つの基準となる。 
影響がどれほど甚大かが現在、受け入れられつつある。4月と5月は一段と悪化するだろう。失業率は5月に18%近辺でピークを付けると予想している。ただ年末には8─9%まで戻すだろう。 
 供給網が回復し、円滑に機能し始め、経済が完全に元の状態に戻るには時間がかかる。 

●1年後の雇用環境に注目 <バレリー・フォージ・キャピタル・マネジメント(フィラデルフィア)の創業者、デーブ・カンテザリア氏> 
 短期的な経済指標は(先を見据えた)投資にはあまり意味がない。指標がひどく悪化することは目に見えているし、多くの分野で経済活動が停止していることも分かっている。投資家が注目するのは、向こう数カ月間で雇用がどれだけ失われるかではなく、これから1年後に雇用環境がどうなっているかだ。 
 今後は繰越需要(景気後退期に購買行動を一時的に控えていた消費者の需要が景気回復期に一気に回復すること)が見られるか、あるいは雇用喪失が継続し企業倒産や債務不履行(デフォルト)が相次ぐかが焦点になる。個人的には1年後に経済活動の大半が復旧し、国内総生産(GDP)もプラス成長に転じると期待している。