新型コロナ 経済影響

仕事を求めている人1人に対して企業から何人の求人があるかを示す有効求人倍率は、先月は1.39倍で、3か月連続で前の月を下回りました。1.4倍を下回ったのは3年半ぶりで、厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が出始めているとしています。

厚生労働省によりますと、先月の有効求人倍率は季節による変動要因を除いて1.39倍となり、前の月から0.06ポイント低下し、3か月連続で前の月を下回りました。有効求人倍率が1.4倍を下回ったのは平成28年9月以来3年半ぶりです。

企業からの新規の求人は、製造業、宿泊業、飲食サービス業をはじめほとんどの業種で減少し、全体では前の年の同じ時期と比べて12.1%の減少となりました。

一方、新たに職を求める人も3%減少しています。
都道府県別にみますと、
▽最も高かったのは岡山県で1.9倍、
▽次いで東京都が1.87倍、
▽福井県が1.84倍などとなっています。

一方、
▽最も低かったのは沖縄県で1.06倍、
▽次いで神奈川県が1.07倍、
▽青森県と長崎県が1.1倍などとなっています。

厚生労働省は「幅広い業種で求人が減少しており、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が顕著に出始めている。有効求人倍率は依然高い水準にあるが、今後の動向を注視する必要がある」としています。

新規求人 新型コロナの影響が顕著

先月、全国のハローワークに企業から提出された求人の数は前の年の同じ時期に比べて12.1%減少しました。

産業別に見ますと、
▽新規求人が最も減少したのは製造業で、前の年の同じ時期に比べて22.8%の減少、
▽次いで宿泊業、飲食サービス業が19.9%、
▽派遣会社などのサービス業が18.1%、
▽旅行会社や映画館などの生活関連サービス業・娯楽業が16.6%、それぞれ減少しています。

中でも宿泊業、飲食サービス業は減り幅が前の月からさらに拡大したことから、厚生労働省は新型コロナウイルスの感染拡大の影響が顕著に表れ始めているとしています。