新型コロナウイルス

新型コロナウイルスが終息した後に取り組みたいことなど、前向きな気持ちは自粛せず表現しようという高校生のグループによる活動がインターネット上で広がりを見せています。

「君の想いは自粛するな」という呼びかけで行われているこの活動は、自宅で過ごす時間が多くなる中でも前向きな気持ちは忘れたくないと全国の高校生で作るグループが先月下旬から始めました。

グループでは、新型コロナウイルスが終息したらやりたいことや将来の夢をことばや絵で表現してもらい、それを撮影した写真をSNSなどに投稿するよう呼びかけています。

コロナを越えるため語呂合わせで「567」を上回る568枚以上を集めたうえでデジタル技術を使って自分たちの思いを集約したモザイクアートを作ることにしています。

10日現在で「部活がしたい」とか「世界を旅したい」など合わせて217枚の写真が国内だけではなく、アメリカやイタリアなど海外からも集まっているということです。

グループの中心メンバーのひとりで愛知県の高校3年生、富田尚幹さんは、「高校生から、社会に対して元気が出るメッセージを出したい。1000枚、2000枚と集めることができれば、思いの数だけ価値が高まっていくと思う」と話しています。

集まった写真には

これまでに集まった写真には、「部活がしたい」とか「友だちとたあいもない会話で笑い合いたい」など、新型コロナウイルスが終息した後に取り組みたいことが記されています。

またコアラの絵とともに「オーストラリアに行きたい」と書かれたものや「世界を旅したい」ということばとともに世界の観光地の写真などが貼られたものもあります。

このほか、筆で自転車の絵だけを書いているものや「かのじょをつくる」ということばにカラフルな和紙を貼っているものもあり、「コロナを越えた」先のさまざまな思いが寄せられています。

活動する高校生の思い

この活動を行う高校生のグループの輪は、インターネットを通じて全国に広がっています。

グループでは、ウェブ会議システムを使ったミーティングを定期的に開いていて、今月6日のミーティングには東京や愛知、それに愛媛や徳島など全国の高校生16人が参加しました。

その中では「家にいる時間が長い、人に会えないということを少し違う視点で見ると、人の意見に振り回されずに自分の思いを考える時間があるということ。自粛している今が自分たちにとってよりよい期間になるよう提案したい」とか、「生活が変わっているのは日本だけではない。ポジティブに前を向き乗り越えていこうというこの活動を日本から世界に発信していこう」などと活動への思いを共有しました。

そして投稿してもらう写真をどのようにして増やすかについて話し合い、発信力のある団体や個人にPRを依頼できないかとか、ホームページなどを作成して広く活動を知ってもらうといった意見が出され、今後、担当を決めて取り組んでいくことになりました。

また、目標とする568枚以上の写真が集まった時に作るモザイクアートのデザインについては、今後、SNSなどを通じて募集するということです。