[プラハ/ブリュッセル/マドリード 17日 ロイター] – 欧州連合(EU)首脳は17日、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ経済の立て直しに向け、欧州委員会が提案した7500億ユーロの復興基金案を巡って協議した。ただ話し合いは難航しているもようで、合意がまとまるかどうかは不透明な情勢だ。 

チェコのバビシュ首相は、復興基金の規模を巡って各国が「真逆の意見」を主張しているとした上で、「きょう中に一定の合意が得られるか様子を見守るが、合意は難しいと思う。これまでのところ、まとまる気配が感じられず、むしろその逆の雰囲気だ」と語った。 

今回の協議は5カ月ぶりとなる対面形式で行われている。 

欧州委の案では3分の2に当たる5000億ユーロを返済義務のない補助金とし、残りを融資としている。ドイツやフランス、南欧勢のイタリアやスペイン、その他ポーランドなど東欧勢らが一致しているものの、財政規律を重視するオーストリア、オランダ、スウェーデン、デンマークのいわゆる倹約4カ国は反対を唱えている。 

オーストリアのクルツ首相は同日、オーストリア放送協会(ORF)で、現行の提案を拒否したと発言。EU首脳会議の合間にメルケル独首相とマクロン仏首相と協議したことを明かし、「夜間に新たな提案があるだろう」と述べた。