[ニューヨーク 30日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、このところのドル下落が継続。トランプ大統領が大統領選延期の可能性に言及したことを受けた。ユーロは2年ぶり水準に上昇した。 

トランプ米大統領は30日、ツイッターへの投稿で郵送投票を改めて不満を示し、11月に予定されている大統領選を延期する可能性に言及。これを受け、ドルが下落に転じた。 

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「米国を巡る不透明感は、それが経済関連でも政治関連でもドル売りの理由になる」と述べた。 

米商務省がこの日発表した第2・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値(季節調整済み)は年率換算で前期比32.9%減と、統計の記録を開始した1947年以来最も大きな落ち込みとなった。 

また、米労働省が発表した25日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は143万4000件と、前週から1万2000件増加した。国内で新型コロナウイルス感染が再拡大する中、一時解雇の増加が続いている。 

マニンボ氏は「失業保険申請は回復がすでに衰え始めたことを物語っている」と指摘した。 

主要通貨に対するドル指数=USDは0.38%安の92.995。今月は4.5%下落しており、月間では2010年9月以来の下落率になる水準。 

ユーロEUR=は一時、18年6月以来の高値となる1.1844ドルに上昇。終盤は0.4%高の1.1840ドル。 

この日はドイツの第2・四半期国内総生産(GDP)速報値が季節調整済みで前期比10.1%減となったことが、序盤のユーロの重しになっていた。 

英ポンドGBP=は10営業日続伸し、一時は3月以来の高値となる1.3091ドルに上昇。終盤は0.71%高の1.3087ドル。 

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、ポンドがこれまでの低迷から盛り返し、さらに上昇しそうな勢いだと指摘した。 

ドル/円 
 NY終値 104.72/104.75 
   始値 105.09 
   高値 105.27 
   安値 104.69 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.1846/1.1848 
   始値 1.1745 
   高値 1.1848 
   安値 1.1743