[ワシントン 2日 ロイター] – 新型コロナウイルス追加対策を巡り、米議会の共和・民主両党は依然として合意に至ることができていない。共和党指導部が提示した新型コロナ経済対策法案に対し、上院の民主党指導部は「不十分かつ党派的な提案」として退けた。

議会の超党派グループは前日、9080億ドル規模のコロナ救済法案を発表したが、共和党のマコネル上院院内総務がこれを拒否。マコネル氏はその後、ホワイトハウス高官らと意見を交わし、トランプ大統領が受け入れる法案の概要を上院共和党議員に回覧した。

ムニューシン米財務長官によると、トランプ大統領はマコネル氏の新型コロナ経済対策法案に署名する構えという。

上院共和党筋によると、マコネル氏の提案は先に民主党側に拒否された5000億ドル規模の対策案に近い内容で、中小企業向けの新規融資および助成金として3327億ドルが盛り込まれているという。

民主党のシューマー上院院内総務は、マコネル氏が民主党の支持を取り付けようとしておらず、同法案が下院を通過する可能性に懐疑的な見方を表明。「マコネル氏は不十分かつ党派的な提案で上院の時間を無駄にしてはならない。米国のニーズを迅速に満たすための党派を超えた真の取り組み着手に向け民主党との話し合いを持つ必要がある」と述べた。

新型コロナ追加対策に加え、議会は連邦政府機関の閉鎖を回避するため12月11日までに歳出法案(予算案)を可決する必要に迫られている。

民主党のホイヤー下院院内幹事は記者団に対し、上下両院の指導部が今週末までに予算案とともに新型コロナ救済法案で合意に達することを期待しているとした上で、救済法案には共和党が反対している州や地方自治体への支援が含まれるべきと語った。