[東京 20日 ロイター] – 東芝は20日、英投資ファンドのCVCキャピタル・パートナーズから受けていた買収の初期提案に応じない方針を明らかにした。19日に新たな書面を受領したものの、具体的な詳細が記載されておらず、「評価不可能」と判断した。東芝によると、CVC側も買収に向けた検討を中断する。

東芝は20日午後に声明を出し、CVCの初期提案には買収側の資本構成、買収後の具体的な経営方針、外資規制への対処法など、取締役会が検討する上で必要な情報がなかったと指摘。19日に新たに受け取った書面は、買収の検討をしばらく中断するという内容だった。CVCはその理由について、株式の非公開化が経営陣と取締役会の戦略に合うものかどうか、東芝側の説明を待つためと説明していたという。

東芝は「客観的に見て具体的かつ実現可能性のある買収提案がなされた場合には、真摯(しんし)に評価・検討していく」とする一方、「上場会社としてのメリットを生かすことが企業価値の向上につながると現時点で確信」していると表明した。

東芝は今月6日、CVCから買収の初期提案を受け取った。CVCから詳細情報が来たら検討するとしていたが、その間に車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)が辞任。車谷氏はCVC日本法人の会長から東芝トップに転じており、利益相反を疑われかねないと指摘されるなどしていた。

東芝はこの日の声明で、初期提案が発表前に報道され、株価に影響を与えたことなどを遺憾だとした。