[フランクフルト 6日 ロイター] – ユーロ圏の銀行監督を担う欧州中央銀行(ECB)銀行監督委員会のアンドレア・エンリア委員長は、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントを巡る巨額損失問題を受け、規制の緩い投資ファンドや専門的な金融業態を巡る検査を強化すると表明した。

銀行以外の事業体が行う金融取引、いわゆるシャドーバンキングを巡っては、以前から拡大が懸念されてきたが、こうした業態はしばしば借り入れ先の主流銀行と同様の審査を受けていないことが問題となっている。

エンリア氏はロイターとのインタビューで、アルケゴス問題を教訓に、今後はレバレッジのかかった高度に集中した取引を行う事業体に対する銀行のエクスポージャー管理に重点を置くとした上で、「銀行自体が当該ポートフォリオを把握していない場合もあるということを最も懸念している」と語った。

欧州銀行監督機構(EBA)の指針では、資本金の0.25%を超えるシャドーバンキングのエクスポージャーは合算され、リスク管理と監視の対象になることが規定されている。エンリア氏は指針に従い各行の状況を判断すると確認した。

検査強化の時期については、新型コロナウイルス感染に伴う渡航規制が緩和され、検査官の移動がより自由になるのを待ちたいとし、「現場で信用情報を入手し、具体的な取引先について聞き取り調査を行えば、この種のエクスポージャーに関する理解をより深く掘り下げることができる」と話した。

アルケゴスは、米メディア大手バイアコムに大規模な投資を行っていたが、3月に増資を発表したバイアコムの株価が急落すると、取引先銀行から追加の証拠金差し入れを求められた。しかしアルケゴスはこれに応じることができず、クレディ・スイスや野村ホールディングス、モルガン・スタンレーなどが多額の損失を被った。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は5日、アルケゴスが経営破綻処理の準備を進めていると報じた。