[ワシントン 14日 ロイター] – 米雇用統計が5月も低調となる初期の兆候が垣間見られ、4月の統計で浮き彫りとなった雇用市場の不振が一過性でない可能性が高まっている。米雇用統計が5月も低調となる初期の兆候が垣間見られ、4月の統計で浮き彫りとなった雇用市場の不振が一過性でない可能性が高まっている。

中小企業向けのシフト管理ソフトを手掛けるホームベースがまとめた9日までのデータによると、中小企業の採用ペースは最近になって失速。中小企業に勤怠管理サービスを提供するUKGの最新のデータも、製造、小売、ヘルスケア関連の雇用減を示している。

UKGのバイスプレジデント、デーブ・ギルバーストン氏は「雇用が5月も小幅な増加にとどまることに備える必要がある」と述べた。

7日に発表された4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比26万6000人増と、市場予想の97万8000人増を大幅に下回る伸びとなった。

エコノミストの間では、新型コロナウイルスのワクチンが普及し、経済活動が一段と正常化に向かう中、今後数カ月で雇用が強い伸びになるとの見方がなお大勢だ。

オックスフォード・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、グレゴリー・デイコ氏は現時点で5月の雇用者数が50万─75万人増加すると予想し、「ペースは加速する可能性もある」と述べた。

一方、雇用関連指標などは強弱まちまちの内容となっている。

13日発表の8日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は47万3000件と、前週の50万7000件から改善し、新型コロナウイルスの感染第1波に見舞われた昨年3月中旬以降で最低となった。ただここ数週間、改善は緩慢なペースにとどまっている。

14日に発表された5月の消費者信頼感指数(速報値)は前月から低下。インフレ懸念が重しとなった。

(Howard Schneider記者)