自民党の甘利明税調会長は18日、2019年参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、公職選挙法違反に問われた河井克行元法相らが代表の政党支部に党本部が支給した資金1億5000万円について問われ、「私は1ミリも関与していない。もっと正確に言えば、1ミクロンも関わっていない」と全否定した。国会内で記者団に語った。

 甘利氏は19年参院選当時、党の選対委員長を務めていた。林幹雄幹事長代理が17日、「当時の選対委員長が広島を担当しており、(二階俊博幹事長は)細かいことは分からない」と名指ししていた。

 甘利氏は「(資金提供の)事実は、事件後の新聞報道を見て初めて知った。関与していない以前に、党から給付された事実を知らない。これが全てだ」と強調した。

 一方、林氏の説明については「選対委員長は選挙の現場の指揮をとる。公認調整などに関わるので、そういう意味ではないか」と語るにとどめた。

 関係者によると、林氏は甘利氏に電話し、資金提供について「タッチしていないことは分かっていたが、こういう形で名前が出たことでご迷惑をおかけした」と陳謝。甘利氏は「当時(自民)広島県連とはやりとりをしていたが、資金の話は知らない」と話したという。河井氏陣営への巨額の資金提供をめぐり、当時の自民幹部が相次いで関与を否定する異例の展開になっている。