【ロンドン=池田慶太】米国家安全保障局(NSA)が2012~14年、デンマークからドイツのメルケル首相を含む欧州の政治家や政府高官にスパイ行為を行っていたと、デンマークの公共放送が5月30日に報じた。

 報道によると、NSAはデンマークの国防情報機関の協力で同国の海底インターネットケーブルに接続し、ドイツ、フランス、スウェーデン、ノルウェー各国の通話やメールを傍受していた。対象はメルケル氏のほか、ドイツの当時の外相や野党党首らも含まれるという。

 NSAによる大規模な情報収集活動は、元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏が13年に暴露した。これを受けてデンマーク側がNSAの活動を内部調査し、一連の傍受が発覚したという。AP通信によると、フランスのマクロン大統領は31日の記者会見で「事実なら受け入れられない」と批判した。