バイデン米大統領は超党派合意を目指すインフラ投資計画の財源として、既に提案した内国歳入庁(IRS)の執行強化に加え、多くの税優遇措置や税控除などで納税額を減らしている米企業に対し、財務諸表記載の利益をベースに最低15%の法人税納付を義務付ける案への同意を共和党に呼び掛けている。

  共和党が反対している法人税率の21%から28%への引き上げ案はいったん棚上げとなる。ただこの案については別の形で実現を目指す可能性がある。ホワイトハウスのサキ報道官は3日の記者会見で提案を確認した。IRSの執行強化では、富裕層の納税者の監査を増やすことなどで税収増を図る。

  これら2つの措置はバイデン大統領の税制計画に既に盛り込まれている。ホワイトハウスはこの提案について、共和党が交渉で拒否する意向を示しているトランプ前大統領の税制改革の巻き戻しを行うことなく、税収を増やせるとみている。法人税最低税率15%案については、米紙ワシントン・ポストが先に、1兆ドル(約110兆円)規模の支出案の一環として報じていた。

  民主党は他の税制案についても、なお財政調整措置を用いて民主党単独で上院可決を目指す可能性がある。サキ報道官は法人税最低税率は大統領の「米雇用計画」や予算教書に盛り込まれていると強調。法人税率の28%への引き上げを大統領は「決して」あきらめていないとし、最新の提案は共和党とのインフラ計画交渉を打開するためのものだと説明した。  

原題:Biden Floats 15% Minimum Corporate Tax to Fund Infrastructure(抜粋)