[ワシントン 8日 ロイター] – バイデン米大統領は8日、大型インフラ投資計画を巡る野党・上院共和党との交渉が行き詰まったことを受け、協議を打ち切り、超党派グループに働き掛ける方針に転換した。

インフラ投資計画を巡り共和党の交渉役を務めるカピト上院議員の報道官によると、カピト議員とバイデン大統領は8日、約5分間の電話協議を行った。

民主党上院トップのシューマー院内総務は、協議が「行き詰まったもよう」と話していた。政権の高官によると、バイデン大統領はカピト議員の提示額が低過ぎるとして、協議を打ち切る方針を固めた。

カピト議員は声明で「真摯に交渉し、バイデン大統領の望む方向に向けて大きく進展していたことから、大統領の決定に失望している」と述べた。

これに先立ち、カピト議員はインフラ投資計画を巡る政権側との交渉が同日中に合意に達するとは見込んでいないものの、双方とも協議継続に前向きで、「いずれ合意に至る」との期待を表明していた。

バイデン大統領は超党派の合意を目指し、投資計画の規模を1兆7000億ドルに縮小する譲歩案を提示。これに対し、カピト議員らは9280億ドル規模の共和党案を示したが、バイデン大統領は規模が小さいとして同案を拒否しており、双方の溝は深かった。

バイデン大統領は8日、ツイッターへの投稿で「共和党との妥協点を見いだすことに尽力しているが、年収40万ドル以下の層に対する増税は拒否する」とし、富裕層や企業が公平な負担を求める時との認識を改めて示した。