[ニューヨーク 10日 ロイター] – 米国時間の原油先物は上昇。2年超ぶりの高値を付けた。米国の新規失業保険申請件数がパンデミック(世界的大流行)発生以降で最低水準に改善したこと受け、力強い需要への期待感が広がった。

ただ、米財務省がイランの元政府高官3人とイランの石油化学製品の取引に関与していた企業2社に対する制裁を解除したと発表したことを受け、原油先物が売られる場面があった。

清算値は北海ブレント原油先物が0.30ドル(0.4%)高の1バレル=72.52ドル。米WTI原油先物が0.33ドル(0.5%)高の70.29ドル。

北海ブレントにとっては2019年5月以来、WTIにとっては18年10月以来の高値となった。

米労働省が10日に発表した6月5日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は37万6000件と、前週の38万5000件から改善し、2020年3月半ばの新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)発生以降で最低水準となった。

ライスタッド・エナジーのアナリスト、ルイーズ・ディクソン氏は「最近発表された米国の失業率や雇用関連指標は、米経済の回復加速を示す明確な明るい兆しだ」と指摘。「企業活動が活発になればエネルギー消費量が増え、経済が良くなれば必然的に道路や空路の交通量が増える」と述べた。