[東京 18日 ロイター] – 東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長は18日夕に会見し、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長ら専門家が出した提言について、「多くの点で共通の認識」とした上で、21日に国際オリンピック委員会(IOC)などと観客上限を決める考えを示した。

橋本会長は、「当初から、政府が示すイベントの(観客)上限に則って決定したいとしてきたその思いに変わりはない」と発言。感染の状況は刻々と変化するとし「状況が変わっていく時には、無観客も覚悟しておかなければならない」と述べた。

政府はスポーツやコンサートなど大規模イベントの観客上限を1万人とする方針を示している。一方、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長らがこの日出した提言は無観客が望ましいとし、観客を入れる場合は政府よりも厳しい基準を求めた。

橋本氏は、「より厳しい条件を求められている」と述べ、IOCと国際パラリンピック委員会(IPC)、政府、東京都との5者協議で「よく協議をして決めていきたい」と語った。

国内スポンサーに配分された観戦チケットの取り扱いについて、会見に同席した武藤敏郎事務総長は「これからの検討課題だ」とした上で、「権利としてチケットの配分を受けることになっている。その権利は大事にしなければならない」と述べた。

競技会場がある自治体などの児童や生徒に割り当てられているチケットについては、「何かを感じる意義のある部分もある。意義のほうをできるだけ生かせないか考えている」とした。

橋本氏によると、来日する大会関係者の数は五輪・パラリンピック合計で5万3000人まで削減した。延期が決まる前に見込んでいた18万人弱から、3分の1以下に減る。