[台北 15日 ロイター] – 半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は15日、米国と日本での新たな工場建設を視野に入れていることを明らかにした。新型コロナウイルス危機の影響でスマートフォンやノートパソコン、自動車向けの半導体需要が急増している。

中国の生産能力を拡大するほか、米アリゾナ工場の「第2段階」の拡張を行う可能性も排除しないとした。

日本での特殊技術(スペシャルティーテクノロジー)半導体工場建設を検討していることも明らかにした。

劉徳音会長はアナリストとの電話会議で「競争上の優位性を維持・強化し、新たな地政学的環境において顧客により良いサービスを提供するために、グローバルな製造拠点を拡大している」と説明した。

「われわれの海外工場は、当初は台湾の製造拠点のコストに匹敵するものではないが、政府と協力してコストの差を最小限に抑える努力をしていく」と述べた。

米国と日本に関する計画の詳細は明らかにせず、コスト上昇を反映してウエハーの価格を引き上げるよう取り組んでいると話した。

劉氏は顧客の「緊急の必要性」により28ナノメートル(ナノは10億分の1)の半導体製造技術を用いて、中国の南京でも生産能力の拡大を計画していると明らかにした。来年から生産を開始する予定で、最終的には2023年半ばまでに月産4万枚に引き上げる予定という。