[台北 15日 ロイター] – 半導体受託生産世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)のマーク・リュウ会長は15日、世界の半導体サプライチェーンが混乱することを理由に、台湾を巡る争いは誰も望まないと語った。TSMCの幹部が地政学に関して直接的な発言をするのは稀。

中国は台湾に対する主権の主張を強めており、台湾付近で軍事演習を繰り返し実施。米国など西側諸国は懸念を深めており、台湾を巡る緊張感が近年高まっている。

会長は決算発表に伴う会見で、新型コロナウイルスの感染拡大により世界経済が混乱する中、台湾情勢の不安定化を望む国はないと指摘。

「中国による侵攻の可能性については、皆が台湾海峡の平和を望んでいると言いたい。それが全ての国の利益にかなうからだ。さらに、台湾の半導体サプライチェーンを混乱させたくないという思惑もある」と語った。

また会長はバイデン米政権について、地政学的な動きが「予測しやすくなり、ルールに基づくものになった」などとコメントした。