ロンドンで銀、リオで銅、そして今回の東京2020は銀。3大会連続のメダル獲得である。これだけみれば卓球女子は期待通りの成績を残した。日本中がもっと盛り上がってもいいようなものだが、メディアも国民も意外にクールだ。中国の厚くて高い壁をこれでもかというぐらい見せつけられれば、銀メダルの喜びも萎えてしまう。せめてもの救いは初戦のダブルスで「陳夢の表情が硬く、ヤマ場で中国ベンチが立ってガッツポーズをする場面もあった」(時事ドットコム)ことだ。混合ダブルスの敗北が日本に対する警戒心を強めたのだろう。日本の成長が垣間見える瞬間でもあった。日本が課題としてきた「高速で長いラリー」(同)もいくつかあった。だが、ポイントは多くの場面で中国がとっていた。

「いつもアジア勢やドイツが関門になり、激戦を乗り越えて中国戦にたどり着いても、簡単にはね返されることが多かった。今回は準決勝まで危なげなく勝ち抜き、中国にもラリーを挑めたところに、強化の跡がうかがえる」(同)。テレビ桟敷で眺めているだけのにわかファンに過ぎないが、確かに成長の後はうかがえる。目を見張るような高速での撃ち合いにも負けていなかった。サーブ力もついている。中国以外だったらどんな相手にも勝てるだろう。だが、肝心なところでポイントを取るのはいつも中国だ。この違いはなんだろう。時事通信の若林記者が解説する。「(中国の選手は)速いテンポで強いドライブ。一世代上の先輩たちとは違う打法を身に着けている」という。要するに日本も成長しているが、相手はもっと先を行っているということだ。

中国は日本よりはるかに選手層が厚い。加えて日本を上回る努力をしているのだろう。卓球は中国の国技のようなものだ。国をあげて強化に取り組んでいる。それに立ち向かうのに正攻法だけでいいのか。サーブの種類を多くし、緩急自在、押したり引いたり、ペースを変える努力も必要ではないか。テニスのドロップショットのような“軟攻”もありか。日刊スポーツによると「(団体戦に出場した)3人が生まれる数十年前、日本の黄金期があった。前回の東京五輪の前後、1950年代から70年代にかけて(日本は)世界選手権優勝の常連国だった」。このあとのピンポン外交を経て米中国交回復へ向かう裏で、中国は国をあげて卓球強国を目指した。これが卓球強国中国の原点だ。3年後のパリ五輪。日本はどこまで中国に対抗できるのだろうか。楽しみにその時を待つことにする。