[国連 16日 ロイター] – 国連安全保障理事会は16日、アフガニスタンにおける新政権樹立に向けた協議を求めるとともに、戦争や虐待の終結を呼び掛けた。

アフガニスタンの反政府武装勢力タリバンは15日、首都カブールの大統領府を掌握し、戦争の終結を宣言した。20年ぶりの復権となる。

安保理は声明で、他国への攻撃や脅威を避けるためにアフガニスタンでのテロへの対抗は重要だと強調。「タリバンや他のアフガングループは他国の領土で活動するテロリストを支援してはならない」とした。

また、あらゆる敵対行為を直ちに停止し、包括的な交渉を通じて女性を含めた新政権の樹立を求めた。

グテレス国連事務総長は安保理で「アフガニスタンにおける世界的なテロの脅威を抑制するために全ての手段を用いる」よう呼び掛けた上で、同国で基本的人権が尊重されるよう確実にする必要があるとも強調。「アフガニスタンで人権が著しく制限されているという報告を受けており、とりわけ女性や少女に対し高まっている人権侵害の報告を懸念している」とし、「われわれはアフガニスタンの人々を見捨てはならない」と言明した。

米国のトーマスグリーンフィールド国連大使も「民間人らへの攻撃を停止し、女性や少女、少数派民族を含む全てのアフガン市民の人権と基本的自由を尊重しなければならない」と呼び掛けた。

中国の耿爽国連次席大使は「アフガニスタンは二度とテロリストの温床になってはならない。われわれはタリバンがテロ組織と決別することを望んでいる」とした。

ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は「アフガニスタンのあらゆる当事者が敵対行為を控え、平和的に解決を図ることを強く望む」とした。