日本と米国、オーストラリアとインドの4か国の協力枠組み「Quad(クアッド)」は、24日に米ワシントンで首脳会議を開く方向で調整に入った。対面での会議は初めてで、日本からは菅首相が出席する。終了後、新型コロナウイルスワクチン、気候変動、先端技術の3分野での協力を柱にした共同文書を発表する見通しだ。

 政府関係者が明らかにした。3月のオンライン会議後に発表した共同声明では、3分野での作業部会設置を含む協力策を打ち出した。今回の会議では、こうした協力の水準を引き上げることを確認する。

 東・南シナ海で軍事力を背景に進出を強める中国を念頭に、海洋安全保障を巡る協力策も議題に上る見込みだ。ワクチンに関しては日米などが資金提供し、インドの生産力を活用しながら、途上国が入手しやすいよう供給態勢を整備する。

 退陣を表明している菅首相にとっては、29日の自民党総裁選直前という異例のタイミングでの訪米となる。菅首相は訪米中にバイデン大統領との首脳会談も行い、後任の首相の下でも日米同盟を強化していく姿勢を伝える方針だ。ハリス副大統領との会談も調整している。