ロイター

 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が、当時のトランプ大統領が中国に戦争を仕掛ける恐れがあると、中国軍側へ秘密裏に電話していたと報道された問題で、ミリー氏の報道官はこれを否定する声明を発表した。  

米紙ワシントンポストは14日、ジャーナリストの新著に基づき、ミリー統合参謀本部議長が中国側に2度にわたり電話し、米国は冷静で攻撃をするつもりはないが、もし攻撃があれば事前に警告するつもりであると述べたと報じた。  

ミリー氏の報道官は声明で、ミリー氏からの電話はすべて国防総省の職員が調整しているとして報道を否定。  

バイデン大統領は15日「ミリー将軍に大きな信頼を寄せている」と述べ、同氏の指導力に問題はないとの見解を示した。  

ワシントン・ポストの報道は、ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏とロバート・コスタ氏が200人もの関係者を取材してまとめた来週発売予定の新著「Peril(差し迫った危険という意味)」に基づいている。  

2018年にミリー氏を現職に指名したトランプ前大統領はテレビの電話インタビューに応じ、報道は「でっち上げ」としながらも、仮に事実なら反逆罪に問われるべきだと述べた。「信じがたいことだが、もし彼が中国に電話してこれらのことを行い、攻撃についてや攻撃の前に助言を申し出ていたとしたなら、それは反逆罪だ」  

報道を受けて共和党の有力者ルビオ上院議員は、ミリー氏の即時解任をバイデン大統領に求めた。議会関係者によると、上院民主党の間でルビオ議員の要求に賛同する動きは広がっていないという。