【ロンドン時事】世界10カ国の若者の9割以上が、気候変動問題と地球の未来について不安を抱いていることが、英バース大などの調査で明らかになった。各国政府の取り組みが不十分との見方も多数を占め、世界の若者にいら立ちが広がっている実態が浮き彫りとなった。

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 調査は環境団体の委託を受けた欧米の大学・専門機関が実施。米国、英国、インド、フィリピン、ナイジェリア、フィンランド、ポルトガル、フランス、ブラジル、オーストラリアの16~25歳計1万人が対象で、この種の調査では過去最大規模という。

 14日に公表された調査結果によると、気候変動とその影響が「心配」と答えたのは95%。このうち、「とても心配」は32%、「極めて心配」は27%だった。また、45%以上が「気候変動問題への不安が日常生活に否定的な影響を及ぼしている」と回答した。

 さらに75%は「未来が怖い」と感じ、「環境危機への不安から将来子供を持つことにためらいを覚える」と答えた人も約4割いた。各国政府の危機対応に関しては、「自分たちや将来の世代を裏切っている」が58%、「対応策の影響についてうそをついている」は64%と、批判的に捉えている人が多かった。

 調査に関わったバース大社会政策科学部のキャロライン・ヒックマン講師は、「子供や若者の間で広がる気候問題への懸念がいかに深刻かが浮かび上がった」と説明。「彼らの心理的苦痛は政府の無行動と関係している」と指摘し、未来の世代を守るために気候変動問題への対応を強化する必要性を訴えた。