新内閣を発足させた岸田総理大臣は、最優先の課題と位置づける、新型コロナウイルス対策の全体像を早急に示すとともに、所得の増加によって、分厚い中間層の復活を目指すため「新しい資本主義実現会議」を立ち上げ、今後具体策の検討を進める方針です。

衆参両院の本会議で第100代の総理大臣に選出された岸田総理大臣は、4日夜、新内閣を発足させました。

その後の記者会見で、新型コロナウイルス対策を最優先の課題と位置づけ、ワクチン接種や医療体制の確保、検査の拡充といった取り組みを強化する考えを示しました。

そして、新型コロナによって大きな影響を受けている人たちを支援するため、経済対策を策定する方針を明らかにし「コロナ禍で大変苦しんでいる女性や非正規、学生の皆さんといった、弱い立場の方々に個別に現金給付を行うことは考えていきたい」と述べました。

そのうえで岸田総理大臣は、新型コロナ対策の全体像を早急に示せるよう、関係閣僚に指示したと説明しました。

また、経済政策について「わが国の未来を切りひらくための新しい経済社会のビジョンを示していく」と強調し、所得の増加によって分厚い中間層の復活を目指すため「新しい資本主義実現会議」を立ち上げる考えを改めて示しました。

岸田総理大臣は、衆議院選挙を間近に控える中、みずからが掲げる「成長と分配の好循環」などの実現に向けて、今後具体策の検討を進める方針です。

初閣議 国民の生活守り 所得増の政策に取り組む基本方針決定

岸田内閣発足後初めての閣議が、4日夜開かれ、信頼と共感を得られる政治が必要だとしたうえで、国民の生活を守り、所得を増やす政策に取り組むとする基本方針を決定しました。

岸田内閣の基本方針では、信頼と共感を得られる政治が必要だとして、国民の声を丁寧に聞いて政策に反映させるとともに、個性と多様性を尊重する社会と、みんなで助け合う社会を目指すことを約束するとしています。

そのうえで、国民の生活を守り、所得を増やす政策に取り組むとして、新型コロナウイルス対策について「納得感のある説明」と「常に最悪を想定すること」を原則として対応し、安心確保のための取り組みの全体像を早急に示すとしています。

また、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした、新しい資本主義を実現していくとしています。

さらに、日米同盟を基軸に、きぜんとした外交・安全保障を展開し「自由で開かれたインド太平洋」を強力に推進するとともに、中国に対しては、対話を続けつつ、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めるとしています。

そして、大規模な自然災害やテロなどへの危機管理を徹底し、東日本大震災からの復興に全力を尽くすとしています。