新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」への懸念がわずかに弱まり、欧米の株価は反発しました。ただ、S&P500種株価指数は前週末の下落分を全て取り戻したわけではなく、オタワでオミクロン株の感染者が確認されたカナダの株価指数は上値の重さが目立ちました。米国で感染者が確認される事態になっても、米国株は底堅さを維持できるのでしょうか。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

強い感染力・軽度の症状

世界保健機関(WHO)はオミクロンが感染急拡大につながり「重大な結果」をもたらす恐れがあると警告した。南アフリカ共和国の科学者らは感染力が強いもようだと指摘したが、既存のワクチンが重症化を防ぐ可能性は高いとしている。同国の医師は、この変異株の患者が示す症状はデルタ変異株の患者に比べ軽度だと語った。

着手済み

独ビオンテックと米モデルナは、両社がそれぞれ開発した新型コロナワクチンをオミクロンに対応させる取り組みを進めている。ビオンテックによれば、必要とあれば新変異株に有効なワクチンを100日以内に用意することが可能だ。バイデン米大統領は現時点では新たに渡航規制を設けることも、この冬にシャットダウンやロックダウンといった経済の封鎖措置を講じることも想定していないと述べた。

CEO交代

ツイッターはジャック・ドーシー氏が最高経営責任者(CEO)から退くことを決めたと明らかにした。同社取締役会は全会一致で、パラグ・アグラワル氏を新CEOならびに取締役会メンバーに指名。アグラワル氏は直ちにCEOに就任する。同氏はツイッターに10年余り在職しており、2017年から最高技術責任者(CTO)を務めてきた。

供給拡大見送りか

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」はオミクロンが石油市場に及ぼす影響について今週の会合で協議すると、ロシアのノバク副首相が明らかにし、来年1月に予定する供給拡大を見送る可能性をあらためて示した。一方、米国は必要に応じて戦略石油備蓄(SPR)を追加放出する用意ができていると、バイデン政権高官があらためて表明した。

政策委メンバーの見解

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのビルロワドガロー・フランス中銀総裁はオミクロンが経済見通しを大きく変えることはないだろうとの見方を示した。新型コロナの感染拡大の波が経済に及ぼす影響は、時間とともに弱くなっていると述べた。同じく政策委メンバーのデコス・スペイン中銀総裁は「インフレ上昇はほぼパンデミック関連の特定の要因が主導しており、来年中に影響は後退ないし、場合によっては消えると見込むことができる」と述べた。

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