[モスクワ 15日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は15日、テレビ電話形式で会談し、西側諸国の介入を拒絶し、安全保障を巡る利益を守るために断固として立ち向かう必要があるとの見解で一致した。

プーチン氏はこれまでも米国の影響力を均衡させる手段として中国とのパートナーシップを利用してきたが、今回の会談で、西側諸国に対する反感を磁力に中ロがいかに強く結びつくかが浮き彫りになった。

中国国営の新華社通信によると、習主席はプーチン氏との会談で「現在、特定の国際勢力が『民主主義』と『人権』の名目の下で中国とロシアの内政に干渉し、国際法と国際関係の公認規範を著しく踏みにじっている」とし、「中国とロシアは両国の安全保障上の利益を一段と効果的に守るための共同の取り組みを拡充する必要がある」と述べた。

ロシア大統領府によると、プーチン氏は 今月7日に実施した米国のバイデン大統領と電話会談の内容を習主席に説明。同会談では、バイデン氏が ロシアがウクライナに侵攻すれば西側諸国は「強力な経済措置」などで対抗すると警告したのに対し、プーチン氏は北大西洋条約機構(NATO)が東方に拡大しないよう保証を求めた。

プーチン氏は習主席との会談で「内政不干渉や相互の利益尊重などの原則に基づく協力の新たなモデルが形作られた」と表明。「スポーツと五輪を政治化するいかなる試みも拒否する」として、来年2月の北京冬季五輪で習氏に会うのを楽しみにしていると伝えた。

北京冬季五輪については、米国に続きオーストラリア、英国、カナダが外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」を表明している。

ロシアのウシャコフ大統領補佐官は記者団に対し、ロシアが西側諸国に安全保証を求めていることに習主席は理解と支持を表明したと明らかにした。また、両首脳は米英豪による安全保障の新たな枠組み「AUKUS(オーカス)」 のほか、日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国(クアッド)の連携などに対し「否定的な見解」を示した。